正しい糖質制限ダイエットの仕方

NHKの健康情報番組ガッテンで糖質制限について取り上げられたので、その内容をまとめてご紹介します。

医師がすすめる安全で正しい糖質制限

糖質制限は大きな話題にもなっており、調査では約半数の方が糖質制限ダイエットをしたことがあるという結果が出ています。また海外では砂糖を含む飲料に税金が課せられたリもしています。日本でも、糖質を抑えた食品や炭水化物をほかの食品へ置き換えるなどの糖質制限が流行し、糖質を控えるという動きがあります。

糖質制限を語るうえで注目したいのが、ミトコンドリアです。35億年前、原始生命が海の中から糖だけを取り入れて生存していました。しかし、ある時、原始生命がミトコンドリアの先祖であるバクテリアが原始生命の細胞の中に入り込みました。 ミトコンドリアは脂肪をエネルギーとして取り込むことができるので、それ以来、生物は脂肪と糖の両方をエネルギーとして使えるようになりました。

もし糖が入ってこない状態になったら、ミトコンドリアが脂肪をエネルギーとして燃やし始めます。これが糖質制限ダイエットの仕組みです。
簡単に出来る一方で、糖質制限ダイエットをしたことで「足腰の筋力が落ちた」、「ベッドから起き上がれなくなった」、「めまいや体力を感じて耳が聞こえにくくなった」という声もあります。

実際、海外の医師が健康な兵士を対象にした実験で、食事を1日2回にして、普通の生活に加え運動をさせたところ、ガリガリになったという結果が出ました。
糖質制限を始めて糖質の摂取量を0にした方が、1ヶ月たったころから、頭がぼーっとして、筋力の低下、めまい、ふらつき身の危険を感じたという方もいらっしゃいます。何に問題があったのかというと栄養の取り方です。

日本人の平均摂取カロリー2000kcal/日です。これらを通常、何から摂るかという割合では、「たんぱく質15%、脂質25%、糖質（炭水化物）60%」になっています。そのため、糖質をまったく摂らない状態になると体に必要な栄養を維持することができず、筋力の低下や体調不良などにつながります。

そのため、糖質制限をする場合は単に糖質を減らすのではいけません。
糖質はふだんの1/3～半分程度にし、糖質を減らした分、たんぱく質や脂質を増やして満腹になるまで食べることがベストです。 糖質は食後に空腹感を刺激する物質が出やすいので、摂りすぎると空腹感を感じやすいのです。お酒は蒸留酒やウイスキーなどは糖質が少ないので、肝臓に負担を与えない程度、適度に飲むのには問題がありません。また醸造酒でも糖質0の発泡酒などにすると良いでしょう。糖質を0にするのではなく、ゆるやかな糖質制限が健康のために大切なのです。

また、体は脂肪を燃やしてエネルギーに変えられると言いましたが、脳は脂肪をエネルギーとして取り込むことができないのです。その代わりとして脳に届きやすいのがケトン体です。ケトン体は脳に良いとされていますが、血管には負担を与えるという論文も発表されています。そのため、北里研究所病院の山田悟・糖尿病センター長によると、長期間ケトン体が出た場合の安全性は保障されていないのでケトン体が出る状態は控えたほうが良いとのことです。そのため、脳のエネルギーとなる糖質を0にするのは危険です。

安全に糖質制限をするうえで押さえておくべきポイントは下記のとおりです
・糖質を減らす
→主食を半分に
・タンパク質・脂質は増やす
→大豆、食物繊維をしっかり摂る
・お酒を飲む場合は蒸留酒または糖質0の醸造酒を適量

安全な糖質制限ダイエットのために

糖質制限ダイエットは痩せやすく、正しい方法でおこなえば血糖値の改善にも役立ち有効ですが、なんでも過ぎたるは猶及ばざるが如しというように、やりすぎはよくありません。
基本は、主食をいつもよりほんの少し控え、必要な栄養素はしっかりと摂って身体本来のサイクルを正しく回すことが大切です。